品川イッコー 公式ブログ

どうも、品川イッコーと申します。寿司、ラーメン、観た映画などを中心に勝手な感想を述べていきます。

映画 『 凶悪 』感想 「事件は最悪だけど映画としては最高」2018年6月 (映画16本目)

近年稀に見る犯罪映画の傑作

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史上最悪の凶悪事件。その真相とは?
ある日、雑誌『明朝24』の編集部に一通の手紙が届いた。それは獄中の死刑囚(ピエール瀧)から届いた、まだ白日のもとにさら
されていない殺人事件についての告発だった。彼は判決を受けた事件とはまた別に3件の殺人事件に関与しており、その事件の
首謀者は“先生”と呼ばれる人物(リリー・フランキー)であること、“先生”はまだ捕まっていないことを訴える死刑囚。
闇に隠れている凶悪事件の告発に慄いた『明朝24』の記者・藤井(山田孝之)は、彼の証言の裏付けを取るうちに事件に
のめり込んでいく……。

この映画を観た時に夏目漱石の『こころ』を思い出しました。

先生と呼ばれる初老の男とその先生を慕う男…

すみません、夏目漱石に怒られそうだ。

 

この話、フィクションとうたってはいるけど実際に起きた「上申書殺人事件」をモデルにしています。

日本映画では珍しく三回も観ました。それくらい好きな作品です。

 

以下、ネタバレ感想。

 

構成の秀逸さ

2時間以上も観れるのは構成がうまいんです。ただの殺人事件を追う記者の話と思ったら大間違い。

 

冒頭からピエール瀧のエゲツない程のバイオレンスと暴走っぷりが凄い。ここにはリリーフランキーは出てこないんですけどどんどん人を殺していきます。

女をレイプして火をつけたり、生きたまま川に突き落としたり。

悪事の連続をこれでもかって程のテンポで詰め込んでる。

そして警察に捕まる。

観てる方は全く目が離せない。

からのタイトル。

つかみとしてはこれ以上ないほど完璧。

 

そして刑務所の面会で登場したピエール瀧はまるで別人格の様に大人しい。逆にまた怖い。緊張と緩和がうまい。

 

前半部分はリリーフランキーは出てきません。「先生」という固有名詞だけで話が進んでいきます。なのでどの様な人物がを想像させるあたりは『桐島部活やめるってよ』に似てるかも。記者の山田孝之ピエール瀧の告白をきっかけに事件を追っていきます。

 

そして中盤からようやくリリーフランキー登場。その登場シーンもいきなり人を絞め殺してるところから始まるのが凄い。

このパートでは山田孝之は一切出てきません。その辺の潔さもいい。

 

事件の詳細が語られます。リリーフランキーピエール瀧の極悪非道な振る舞いをテンポよくみせられるわけです。このパートが映画のかなりの大部分を占めてます。

保険金をかけて老人を殺したり、土地持ちの老人を殺して土地を売却したり老人をターゲットに金を設けていく錬金術師のリリーフランキー。実行犯は元ヤクザ組長のピエール瀧

まさに名コンビ。

 

そして後半は再び山田孝之が登場しリリーフランキーを追い詰めるという三部構成。

2時間ちょいですがあっと言う間です。

 

ヒューマンドラマ?

彼らにとって殺人は虫を殺すのと同じレベル。

「人は簡単に死んじゃうんだからしょうがないでしょ」

「ジュンジくんがいてくれてよかった」

「燃やしてみたいんだ(人を)」

セリフもいちいち爽やかなヒューマンドラマ風。だけど話の内容はかなり下衆。

人を殺した後に家族でクリスマスパーティーとかそのギャップが凄い。

リリーフランキーの肩の力を抜いた演技が妙に怖い。

 

池脇千鶴が怖い

とにかくこの映画で光ってるのがリリーフランキー山田孝之のトーン低めで抑えた演技もピエール瀧の暴れっぷりも凄いがリリーフランキーの静かな狂気は見所だ。

笑いながら96度の酒を一気飲みさせて殺すシーンとかかなりサイコパスです。

で、私がもう1人怖いなと思ったのが山田孝之の妻、池脇千鶴

ボケた母親の面倒を妻に押し付ける山田孝之に愛想をつかした池脇千鶴が静かに言い放つ終盤のシーン。

「この事件追いかけてあなたは楽しかったんでしょ?

こんな事件があったんだ、こんな殺し方があるんだ。楽しくして仕方なかったんでしょ?

私も楽しかった。」

ドキッとした。これは映画を観てる観客に向かって放った言葉なのか?

恥ずかしながらリリーフランキーピエール瀧の鬼畜の所業に私も興味があった。同罪なのかも。

「しばらく前から私はお母さんを殴ってる。

私はこんな人間じゃないと思ってたんだけどね。」

これもかなりドキッとしたシーン。

人は犯罪と隣り合わせということか。

 

全体としてかなり重いです。

だけど観た後はどっと疲れます。一冊の分厚い本を1日で読み切った感じ。

何よりも恐ろしいのがこの話が実話に基づいているという事実。

決して手放しで面白かったとは言えない。

だけど個性派俳優3人のドラマは見応え充分です。

あ、ピエール瀧リリーフランキーは元は俳優じゃなかったよな…

そういう意味でも凄い。

 

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