品川イッコー 公式ブログ

どうも、品川イッコーと申します。寿司、ラーメン、観た映画などを中心に勝手な感想を述べていきます。

映画『 T2 トレインスポッティング 』感想⇨トレスポを書いたのはスパットだった? (映画26本目)

夢も希望もない映画

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Amazonで『トレインスポッティング』と『T2 トレインスポッティング』のセットBlu-rayを購入してしまった。

もともと『トレインスポッティング』が大好きでDVDしか持っていなかったのでこの際Blu-ray版を買い換えるいいタイミングだった。

 

前作の『トレインスポッティング』はもう私の青春そのものといっていい。監督のダニーボイルは映像的な部分でかなり影響を受けた。

この映画でユアンマクレガーが坊主姿でピチピチのTシャツを着てずぶ濡れ姿となっているジャケット写真なんか斬新すぎてもうセンスの塊としか言いようがない。

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音楽の使い方、テンポ、そして独特なドラッグの表現方法。

金をかけて派手にすればいいというハリウッド全盛期のあの時代にセンスで勝負した革命的な映画だった。

前作への思いをここに綴ればきりがないのでここらへんにして20年ぶりの続編となる今作『T2 トレインスポッティング』の話をしようか。

 

ここ映画は公開当初に劇場に観にいった作品。

前作への思いがあまりに強かった私はこの続編を観てあらゆる意味でショックを受けた。

 

キャラクター達は何も変わっていなかった

前作のラストにレントンは親友達を裏切って大金を持ってオランダへ。

そこで結婚はしたが子供に恵まれずに離婚。

仕事もリストラにあい、ついには病気にもなってしまう。

もう幸が薄いとかのレベルじゃない。

まぁ因果応報のような気もするが結局金をつかんでも何も幸せになっていない。

 

シックボーイもかつては繁盛してたけど今は老人一人ぐらいしかこないバーで働きながら彼女と共にゆすりをして生活してる。

おまけにだいぶ禿げ上がってしまってるしどう見ても幸福感ゼロ。

 

スパットはサマータイムのせいで遅刻しまくりで仕事もクビ。結婚して子供もいるけど別居状態。ついには絶望して自殺まではかろうとする。

 

ベグビーは刑務所。この辺しっくりきすぎ。

仲間に腹を刺させて脱走をはかる相変わらず無茶苦茶なやつ。

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20年ぶりに彼らを観たけど幸せになっているものは誰もいない。ドラッグやってめちゃくちゃやってても若かったからまだそれがカッコよくみえたが、オッサンになってしまった男達がそれをやってもただただ惨めでイタいオヤジだ。

 

夢も希望もないラスト

レントンたちは46歳という現実。

未来をつかむためがむしゃらに走りまくってた20年前とは違い彼らにはもう選べる未来が残されていない。

ベグビーの「賢いやつはいい、俺みたいなのはどうりゃいいんだ」というセリフ。

今回ベグビーのセリフが逐一心に響いた。

 

映画としては悪役ベグビーからの危険を回避してめでたしで終わるんだけどこれが特にめでたくもない感満載だから新しい。

 

レントンは実家に戻り(母親は亡くなっていた)、シックボーイは彼女に逃げられバーにいつもの老人を迎い入れ、ベグビーは刑務所に逆戻り。

なんだか状況が何も変わっていない。

唯一スパットだけが文才を発揮して小説を書くことに。おそらくその小説こそが前作の『トレインスポッティング』ということなんだろう。

ということは『トレインスポッティング』はスパット作というまた斬新な流れに。

 

この映画で何も変わっていない彼らをみて安心したと同時に先が見えないという息苦しさを感じてしまった。何も考えずバカやってた20年前はまだよかった。「未来を選べ」がテーマだった前作の答えがこれだ。

レントンは昔聴いていたイギーポップの音楽に身を任せて踊りながらこの映画はエンドロールを迎える。まるで前を向くことを諦め、ひたすら懐古主義に浸るかのようでなんだかあまりに切なくなってくるラストだった。

 

前作との違いと個人的に思う点

歳を取ったことによるテーマ性の違いは散々述べてきた。

他にも前作との違いは結構ある。

 

たとえば「前作に比べてドラッグ要素は影を潜めている。」

よってあの奇抜な表現方法を楽しみにしてた自分としては少し拍子抜け。

まぁ年齢も年齢だしあんな調子でドラッグやってたら今頃みんな死んでるか。

 

そして最大の違いはレントン目線の語り口がない」ということ。

今回は全員に平等にスポットが当てられている。

あの疾走感のあるレントン語りが物語に独特のテンポを与えていただけに今回は随分と間延びしてしまうシーンがあった。

 

そして個人的に思うことは「ベグビーの扱い。」

いくら金を持ち逃げしたレントンを恨んでいるとはいえただの殺人鬼みたいな扱いはどうなのよ?本気で殺そうとしてたシーンには少し引いてしまった。

仮にも同級生だしなんだかなぁと。

 

全体のトーンとしては若いがゆえにパワーが溢れていた前作とは違い、やはりみんな歳を取って落ち着いてしまった感がある。

(それはダニーボイル監督然り)。

こんなみんなを観たくなかったという反面、これが現実だし受け入れるしかないんだよね。

まさに彼らだって仕方ないことの連続なわけだし。

 

トレスポへの思いが強すぎて色々言ったけどダミアンも弁護士として出てきたりして20年前のキャストがそのままスクリーンで観れたことが同窓会的な感動があった。

また前作を見直して過去に浸るとするか。