「新鮮な魚で握った寿司が一番
だから東京の寿司よりも地方の寿司の方が美味い」
平気でそんなことを言う人が未だにいるのが驚きだが、
「魚はある程度寝かした方が美味い」は今やだいぶ世間に浸透しつつあるようだ。
(写真は 銀座の「鮨 太一」さん)
すきやばし次郎の二郎さんはこう述べている
「ヒラメは締めた日の夜はいきが良すぎて握れません。
コリコリしてて持ち味がいきないから握れるのは翌日の昼です。
マグロも味や風味がピークになるのは熟成されて赤みが霞んできたころ。
酸化する一歩手前が美味い。」
つまり伝統的な江戸前寿司ではただ新鮮な魚を使うというよりも魚が一番美味しいタイミングを見計らって握るのだ。
北海道、北陸の海の幸は美味しい。
それは知ってる。
だがお寿司となるとどうだろうか?
単純に「魚が取れる=寿司が美味い」なのだろうか?
それは魚の旨味を引き出せる技あってのことではないのか?
ただ単に新鮮なネタを使った寿司なら極端な話誰でも美味い寿司を作れてしまう。
その魚の旨味を引き出す技あってのものではないのか。
「地方の寿司の方が安いし美味い」というのは半分はあってるかもしれないが半分は正しくはない認識である。
江戸前寿司の起源は魚を腐らせないために煮たり締めたりして長持ちさせる「保存」からきている。
流通が発達した現在では若干その意味合いが変わって「魚の旨味を引き出すこと」を追求するようになる。
締め方によっても旨味は変わってくる。
そのノウハウを持っているのが江戸前の職人である。
その対価として高い金額は妥当なのかもしれない。
誤解されては困るが
僕は決して回転寿司やチェーン店、地方の寿司屋を否定しているわけではない。
ただ江戸前寿司について知らない日本人が多すぎる。
(いまや海外の方の方が日本人よりも江戸前寿司に精通している方もいるくらい)
そりゃ回転寿司や地方の寿司屋の方が安い
だけど江戸前職人が施したお寿司を一度食べてみてほしい。
きっと概念が変わるから。
食べたことがない人に限って批判をする傾向があるんだよな。
2002年開校、卒業生数3,500名以上・世界初の江戸前寿司職人養成コース
【本日の動画】
【寿司⑫】銀座の超優良店!伝統的な江戸前寿司を最高のコスパでいただける店「鮨 太一」 SUSHI TAICHI : Traditional Edo-style Sushi