本日は湯島にある鰻屋「和灯ろ」へ。
こちらのお店は熟成鰻を出すお店で店主が商標登録までされたそうだ。
つまりこのお店が熟成鰻の発祥となる。
肉や魚の熟成が浸透してきたばかりだが確かに鰻に関しては人々の意識として「昔ながらの」から脱却できていない様に思う。
今宵は熟成鰻を初体験するとしよう。
店主は和食出身。まだ30代とお若いがうなぎに対してとても熱い想いを持ってる方。
うなぎはワインセラーで熟成しているので数に限りがあり一日3組までしか予約を受けていない。
ではコースのスタート。
前菜
毎月6~7品を月替わりで用意してるとのこと。
コースなので鰻に行く前にゆっくりお酒を飲みながらつまんでいく。
愛媛県「梅美人 鷹雄」
お椀
手前はクエの揚げ、蕪のしんじょ、上から蕪のすり流し。
クエの旨味を感じながらも蕪のすり流しが優しくゆっくりと胃を温めてくれる。
お刺身
カワハギ、カワハギの肝、アオリイカ、赤貝。
肝は肝醤油になっている。
焼き物
上のは辛味大根をすりおろしたもので真鯛の甘みを引き立たせている。
あとは下仁田ネギも炭火で焼いているだけだが甘味が強い。
山形県「栄光冨士 黒狐~Black Fox~」
牛肉と熟成うなぎのすき煮風
宮崎の日向牛と宮崎のうなぎ(48時間熟成)のすき煮風でその上に雲丹がのったもの。
うなぎは蒸さずに地焼きにしている。
すき煮なので味付けの甘みはあるがうなぎ自体の甘味も凄い。
理由は熟成させることで水分をしっかり保ったまま焼いたからだと言う。
死後硬直ですぐに焼いてしまうと水分がすぐに飛んでしまうらしい。
すき焼きだと卵黄が定番だが代わりに雲丹のマイルドさが素敵。
カリフラワーの茶碗蒸し
カリフラワーを鰹出汁でペーストになるまで炊いて玉子ととじたもの。
とにかく香りがよく口当たりもいい。
余計な味付けをしなくても海鮮がまたいい塩加減。
熟成うなぎ(タレと白焼き)
ようやく本日の大本命の熟成うなぎ。
うなぎのヌルヌルのムチンという動物性たんぱく質を火傷程度の熱で焼き、水分を細胞と細胞の間に含んだ状態で48時間熟成。
これにより水分を含んだうなぎの舌へのアプローチが変わるとのこと。
白焼きは柚子の葉っぱの果汁と藻塩でいただく。
熟成というだけあって身にしっかりと脂がまわっている。
よくある養殖の軽い脂は一切なくうなぎの味がしっかりとした出たもの。
二郎で言えば乳化系と言ったところか。
明らかに今まで食べてきたものとは異なるのが一発でわかる。
土鍋で炊いたご飯
保温でなく毎回炊き立てのご飯をいただけるのも嬉しい。
肝吸い
ご飯は千葉のコシヒカリを使用。
粒は小さいが魚沼産だと甘みが強すぎて熟成うなぎには合わないとのこと。
だけどふっくらで米の旨味もあります。
うなぎは熟成させて脂がまわり十分甘い。
なのでタレにも砂糖はほぼ使わないそうだ。
熟成うなぎの焼きダレ
通常のうなぎ屋さんだとかけダレは生ダレと焼きダレを割ってかけるらしいがこちらは焼きダレ100%。
つまりうなぎの旨味エキスが存分に出たタレということ。
もはや3Dうなぎご飯?という位、これだけでうなぎを食べてる様な感覚に。
和菓子
国産の吉野葛100%使用のできたての葛きり。
平打ち麺の様な葛きりをきな粉につけてから黒蜜につけてつけ麺風にいただく。
以上がお任せコース。
お会計は16,000円。
これだけ食べてこの金額とは驚きだ。
まだ昨年オープンしたばかりで熟成うなぎは浸透してないが間違いなく今後のうなぎ業界を変えるお店だと思う。
ごちそうさまでした!