2010年/日本映画/141分
湾岸署を襲った最悪の猟奇的連続殺人事件から7年。テロリスト対策のため、高度なセキュリティシステムが導入された新湾岸署へ引越すことになった湾岸署では、強行犯係係長に昇進した青島刑事が引越しを一任され、大張り切りで引越し作業に取り組んでいた。ところが、新湾岸署の開署式まで後3日になって、湾岸署管内で次々と事件が発生する。
真下、室井とスピンオフを挟み7年ぶりの劇場版3作目。
端的に言ってしんどかった…
過去2作にあったようなワクワク感みたいなものが一切なくトーンダウンが否めない。
青島が係長となり新キャラが多数登場。
いままでの登場人物たちの入れ替えがあったせいで、前作までの踊るの世界観とは異なっている。
テレビシリーズに思い入れのある視聴者からすればテンション下がるのは自然な事だけど個人的にはそれならそれでしっくりくるなら構わないが、どうもこれがしんどかった。
なんせ新キャラに魅力がない。
和久さんの甥っ子が刑事課に配属されるんだけど何度も和久語録を読み上げる辺りとか正直言ってアザとすぎる。
和久さんの存在感を少しでも残したいという作り手のサービス精神なんだろうけど観るものからするとこれが結構しつこくて辟易する。
作り手のサービス精神は観る人からすればサービスにはなってないことが多いんですよ。
特にこれは日本のドラマから映画になったパターンに顕著に現れる。
映画だとやり過ぎてダダ滑りみたいなことをよく目にする。
おまけにこの甥っ子自体のキャラが著しく魅力がなく、単なる和久語録宣伝者みたいになってる。だったら和久さんの回想シーンで良くないか?
中国からの研修生である王さんもこれまたカタコト日本語の中国人という非常にステレオタイプでつまらないキャラ。
かと言って以前から出てるスリーアミーゴーズに至っても観ていられないくらいスベってたし踊るスタッフどうしたんだろ?と心配になってしまう。
室井さんは確か「容疑者 室井慎次」で最後に広島へ飛ばされたはずだけど本作では東京に戻り偉くなったみたい。
室井を戻したお偉いさんが室井に向かって「ここには正義がない、あるのは政治だ」みたいなこと言ってたけど、じゃあ何でわざわざ広島から室井を戻したのか?
懐かない犬と分かっていて何がしたかったのかすっぽり説明が抜けている。
今回一番気になったのが青島の病気のくだりはいるのか?というところ。
ファンは7年間待たされたわけでいわば青島欲がすごい状態。
ようやく続編が公開されてそこでテンション下がった青島なんてみたくないんですよ。
フルスロットルの青島が観たいのに病気系は邪魔な演出だわ。
一時期フジテレビ系で病気系が流行ったからのっかたのかな?
それから高度なセキュリティシステムの新湾岸署が封鎖してしまったというのになんで青島は杭で扉を叩いてるのか?
杭で何とか扉が開くとでも思ってるとしたら相当おバカさん過ぎやしないだろうか?
てかその杭どこにあったの?
それから日向真奈美は釈放されて武器もないはずなの青島は何を手こずってるのか。
あと5分で爆発ならさっさと連れてこいよ。
時間ギリギリまで署内にいて何をダラダラと会話してるんだ。
と、本作ではいちいち見せ場を作ろうとしてその全てがアザとくなってしまっている。
期待されてそのハードルを見事に超えることが出来なかった残念な作品といえよう。
そもそもタイトルが「ヤツらを解放せよ」のはずなのに解放されたのは日向真奈美と岡村隆史だけやんけ。
今まで逮捕された凶悪犯達がシャバに出て行くような展開ならまだしも全くそこにワクワクがない。
ちなみに犯人の一人である圭一ってテレビドラマシリーズの第一話で青島が逮捕した少年みたいだけど相変わらずそういうとこだけは凝るんだな。
あと最後の室井さんの「へっちゃまげな」っていう方言は字幕スーパー入れないとわかる人少ないでしょ。
一応言っとくと秋田弁で「余計なお世話」という意味らしいです。
これを当時劇場に観に行って酷く落胆した記憶がある。
劇場版の1作目と2作目は穴があろうが物語を引っ張っていく推進力があったんだけどこの3作目に関しては10年前と感想は変わらない。
こうなったら最後の劇場版を観て踊る大捜査線レビューを〆たいと思う。